2012年4月4日水曜日

がれきの受入論議について。

ここ最近は通常の業務に加えて、被災地のガレキ受入のことで色々と議論をしています。 三重県内、全国でも賛否の分かれるテーマですが、まだまだ安全面の確保というものが見えてきません。


被災地のガレキ処理については、政府(環境省)が積極的に都道府県に申入れをして、その後、都道府県と市町村が協議をして、受入れるかどうかを話し合っていますが、どうにも「受入」ありきの議論に進みがちで、安全面の確保が不透明なのが現状です。


放射能の影響をまったく受けていないものであれば、何ら問題はありません。 しかし、原発事故発生後の放射線量の数値は日本の大部分の地域で通常よりも上回っていたことは事実として残っています。 そのような中で、放射線の影響を受けていないガレキというのが、そもそも存在しうるのか疑問が残ります。 


受入れるゴミ焼却場においても疑問が出てきます。 バグフィルターが本当に放射性物質の除去を可能としているのか? メーカーの補償を取り付けることができるか? 放射能を吸着したバグフィルターの修理は誰がするのか? 万が一の時、地域住民はもちろんのこと、担当する職員の健康管理は国が責任を持てるのか?


政府の言う「安全」の根拠が分かりません。 被災地、被災者を助けよう、サポートしていこうと言う気運づくりは必要ですが、ガレキのことについては、安全面の根拠を固めていく必要があると思います。 現在の疑問だらけのまま、ガレキの広域処理を進めていくことは、かつて、原子力発電所は絶対に安全だから。と言って進めてきた手法と同じように感じられてなりません。


そしてガレキ問題と同時に、放射能の影響を受けている方々に対する健康管理のサポートを早急に構築していく必要があります。 先日、伊勢市に避難されてきているお母さんたちと意見交換をする機会をいただきましたが、報道には流れない現地のお話を聞き、本当に胸の詰まる思いをしました。


被曝検査については、尿や血液検査、エコー、ボディホールカウンターなどがあるそうですが、どれも保険診療の対象となっていなくて、自主的な検査では数万円以上の費用が必要となっているそうですが、福島県の避難計画区域以外の住民に対して被曝検査をする予定がまだまだめどが立ってないようです。


三重県の市長会でもガレキ受入の検討が始まっていますが、どうも外堀から埋めようという動きがあるように感じてなりません。 現在、伊勢市では受入の考えは持ち合わせていません。 市民の安全を第一に考え、被災地の支援を続けていきたいと思います。