2009年12月16日水曜日


今日は遅くなりそうだったので、ちょっと早めの夕食をいただきました。 メニューは市役所近くの太田屋さんの肉うどんです。  8年前に伊勢に帰ってきたときにはじめて食べたメニューですが、大のお気に入りです(^^)



明日は一般質問が始まります。 今までと逆の立場なので、ちょっと緊張しますが、職員としっかり打ち合わせをして、議員の方々の質問に答えていきたいと思います。



昨日の所信表明の原稿です。


議案の説明の前に、私の、伊勢市政に対する所信の一端を表明いたします。 今、ここにおられる議員の皆さんにおかれましては、伊勢市民のために、尽くさんとして立候補され、多くの市民の方々からのご支援により、ご当選されたことを、心からお祝い申し上げます。 



私自身も突然の市長選挙と言うことで、厳しい選挙戦でありましたが、市民、議員の皆様をはじめ、各方面からの力強いご支援を賜り、伊勢市長としての重責を担わせていただくこととなりました。 



みなさまの力強いご支援に対しまして、心からお礼を申しあげると共に、新しい伊勢をつくるために、全身全霊で市政運営に取り組んでいくことを皆様とお約束します。



まず今回の選挙の争点でもありました海上アクセス事業の今後ですが、現在、担当課にあらためて正確な試算を指示させていただいています。 海上アクセス事業については中止いたしますが、ターミナル施設の方向性については、出来る限り、市民の方の負担を少なくするかたちをとっていきますので、いましばらくお時間をください。



さて、現在の伊勢市は全国の地方都市と同様に、非常に厳しい財政危機に陥っている。 これは過去の遺産ではなく、今、目の前にある危機的状態であり、近い将来、伊勢市の更なる衰退を招き出す大きな要因として考えられる。



平成20年度決算については、財政健全化法に定める4指標とも基準をクリアしているが、単年度決算では補足しきれない、伊勢病院、下水道事業など、今後発生するであろう大きな財政負担があり、予断を許されない状況である。



そして850億円を超える伊勢市の借金は現在の市民に支払うことが出来ない大きな債務であり、また将来の子供たちへの負担を強要せざるを得ない。 



にもかかわらず、いまだ行政に対する要望は多く、すべてを実現しようとすればするほど、私たち自身、子供たちに対して、大きな足かせとなる。 



ご存じの通り、平成186月に財政破綻した夕張市では、教育、福祉、消防、病院と、市民生活にとって必須であると考えられていた行政サービスが統廃合され、さらに税金や利用料などのサービスが最大2倍にもなって負担をすることとなった。 



さらに町に済むことが出来なくなった若い世代が一挙に都心へ転居し、夕張からは子供の声が消えていった。 子供がいなくなったまちの将来がどうあるのか、想像するには難しくないと考える。 



今、伊勢市に迫っている危機的状況が、何であるのか。 このことを私たち自身の共通認識として分かち合うことが、第一歩である。



そのために、納税者の方々から見て納得の出来る行財政改革を進めることが必要であり、将来にわたっての財政見通しの公表を進めていく。 



現在の伊勢市を取り囲む財政危機という状況を、いますべてを解決する術は持ち合わせていないが、近い将来の最悪の状況を想像することだけは容易くできる。 



行政はもちろんのこと、市民、議会においても大きな困難が伴うことは避けられないが、未来への光をつかみ取るために、私たちが第一歩を踏み出さなければならないことは確信し、そのために市政を任されていると考えている。



将来の世代に依存した財政運営を立て直し、10年後、20年後の子供たちが夢を描くことができるまちをつくることを第一の仕事とさせていただく。



また伊勢市の財政が未来に依存したものであるとすると、市民の生活を支えているものは何か、衣、食、住、そして、エネルギーの多くを海外に依存している姿が眼に映る。 



そして現代の生活を築きあげていただいた先人に感謝すると共に、その背景で犠牲となってきた方々に対して心の中に思い続ける必要があるのではないでしょうか?



明治維新以降に進められてきた物質的には快適に見える人々の暮らしには光と陰があり、いまこそ、この狭間に私たちがたたされていることは、年間3万人を超える自殺者、交通事故死者数の増加、安価に輸入されてくる海外からの食料の状況を見るだけでも十分に明確である。 



物質的に豊かと見える生活の中からうつる背景には、例えば、家庭の食卓にのぼる食材や、町にあふれて見える食料の流通の姿を見るだけでも、この地域だけでは生きていくことが困難であることを裏付けている。 



そして政府の特に外交の状況によって、いとも容易く、生命の基盤を大きく揺らがされる可能性が潜んでいることを私たちは知る必要がある。 



そして、その上で依存型の生活様式から脱却できる道を、それぞれの生産者だけでなく、消費者も一体となって模索し、新たな挑戦に挑んでいかなければならない。



そして平成25年にご遷宮を迎える神宮については、日本心のふるさとというだけでなく、世界的に見ても唯一無二の存在である。 特に観光という二次的な側面が大きくとりあげられるが、本来は、信仰があってのことであることを忘れてはならない。

 


また地球環境の視点からとらえても世界に対して大きなメッセージを発信していく必要がある。 そして、あらためて非核平和宣言都市である、伊勢市として、また、世界で唯一の核被爆国民として、日本国憲法の精神に基づき、核兵器の廃絶と軍備縮小を全世界に訴えるとともに、



「持たず・作らず・持ち込ませず」の非核三原則が完全に実施されることを希求し、市民と世界の平和と幸福を願い、所信表明とする。 また具体的な政策については、おって表明させていただく。



最後になりましたが、議会の皆さんと私たち執行機関は、二元代表制のもと、市民生活、伊勢市の発展を実現するために議論を通じ、協力して、市政運営にあたらなければならないと考えていますので、皆さんのより一層のご指導、ご協力をお願い申しあげ、私の所信表明とご挨拶にさせていただきます。