2010年3月3日水曜日

今日から3月議会が始まりました。 議会の冒頭に海上アクセス事業のターミナル施設の方向性について「撤収」を進めていきたい意思を表明させて頂きました。 


まず私たちが考えなければならないのは、このターミナル施設の方向性が何であったのか? 何のために建設された施設であったかを考え直すことが必要ではないでしょうか?


平成18年10月、突如、「高速船の運行会社」から要望があがってきたことにより、進められてきた海上アクセス事業。 この事業の目的、この施設の目的は海外からの観光客の誘致で「年間伊勢志摩地域に6億円の経済効果」をもたらすというレポートがありました。 


しかし、ターミナル施設を建設中に要望をしてきたはずの「運行会社」が事業が出来ないことを表明(1) そして本来の目的であった「経済効果6億円」も上げ底のずさんな計算方法(2)


そして、極めつけは船着き場となる台船も桟橋も安全性が確保できないとして、三重県から船着き場の利用について使用中止の命令(3)


この3点の問題点を見ていただければ、この海上アクセス事業がいかに稚拙に進められてきたか。そして、すでに破綻している事業であるということがご理解頂けると思います。 


さらに三重県内の他の海上アクセスルートも利用者がピーク時の30%減となっている話もあり、また中部国際空港の減便も重なってきています。


そして昨年の市長選挙で海上アクセス事業については中止。 ターミナル施設については、「譲渡/売却、有効利用、撤収」という選択肢を示させて頂きましたが、まず法的、物理的な理由で譲渡/売却は選択肢から外しました。


そして、有効利用と撤収の二者択一となった段階で、それぞれにかかる10年間の投資費用と維持管理費用を計算させて頂いたところ「有効利用なら最安値で約4億円の市の負担」「撤収なら最高値で約8億円の市の負担」となることが分かりました。


ただ単純に目の前に出ている金額だけなら「有効利用の方が4億円得」となりますが、2年以上も有効活用案を議論していただきましたが、いまだ現実的な利用案が一つも出てこないのが実情です。


すこし細かな話になりますが、レストランやショッピングセンターなどは建設に関わる法律により許可が下りるようになるまで数年が必要となってきます。(数年の時間をかけても許可されるかどうかはわかりません。) 


そして、よくお話のある船舶を停留させるマリーナ案については、最低10億円以上の設備投資が必要となってきます。 さらに勢田川の河口ということで溜まってくる土砂の浚渫(しゅんせつ)にも数億円の費用が必要となってきます。(三重県の管理)


これから試算結果を市民や議会のみなさんに情報公開をし、意見交換する場を作っていきますが、このようなことを総合的に考え、撤収をすることが懸命であると判断をさせて頂きました。